地下壕も見学 海上自衛隊呉地方総監部第一庁舎(旧呉鎮守府庁舎):日本遺産 呉

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日本遺産に認定されている海上自衛隊 呉地方総監部

 

呉プレスツアーにて旧呉鎮守府庁舎で現在は海上自衛隊 呉地方総監部第一庁舎も視察することができました。ここは後述しますが、事前予約をすると一般の方でも日曜日のみ見学することができます。

過去2回ひとり旅で来ていた呉ですが、曜日があわず入ることができなかった海上自衛隊呉地方総監部に、ようやく来ることができました。

案内してくださるのは、海上自衛隊呉地方総監部の広報の方です。

 

呉鎮守府を象徴する建物 海上自衛隊呉地方総監部第1庁舎

呉鎮守府は明治22年に開庁していますが、明治38年の芸予地震にて初代庁舎が崩壊したため、今の建物は明治40年に完成したもの。

 

現在は海上自衛隊 呉地方総監部として使われているので、JMSDF海上自衛隊のマークが中央に掲げられています。

 

 

御影石とレンガを組み合わせた近代洋風建築で、1階と2階の窓の作りを変えているなど凝った作りとなっています。

 

以前は赤レンガはイギリスから運ばれてきたものと言われていたそうですが、建て替えの際にレンガから広島県安芸津産の刻印が出てきたそうです。

 

 

 

正面玄関から入ったところは真っ白な柱に赤じゅうたん。重みを感じる造りです。

 

かつては渡り廊下で2つの建物がつながっていた名残。

 

 

海上自衛隊呉地方総監部 第一庁舎の裏側に回りました。でも実際は「裏側」とは言わず「海側」と言われています。

 

 

海軍の場合、船で来て海側から入ってこられる方もいるので、海側玄関もきちんとした造りとなっています。

また二階にしっかりとした貴賓室が用意されているので、皇族の方が近くを通る際のお休み処としても利用されたこともあるそうです。

 

 

ついに公開となった呉鎮守府の地下壕

太平洋戦争末期は本土への空襲も激しくなったため、呉鎮守府はドーリットル空襲があってすぐに作り始め、昭和20年4月頃に地下壕を完成させたそうです。こちらは地下作戦室への通路となります。地下壕は今までは非公開となっていましたが、昨年の日本遺産WEEKから一般にも公開されるようになりました。

 

地下作戦室への通路は、かなり細く狭く緊張感が伝わってきました。

 

こちらが地下作戦室への表からの入り口となります。

 

地下壕に関しての記録、設計図などは終戦直後に焼却処分されてしまったため全く残っていなく不明なことが多いのですが、唯一あるのが職員として働いていた方の手記だそうです。

 

土木建築資料としても価値がある呉鎮守府の地下作戦室

かなり厚みのあるコンクリートで作られています。

 

 

終戦後、長く公開されていなかった地下壕(地下作戦室)ですが、カビ臭さなどはありませんでした。

 

太平洋戦争後期の日本国内では鉄が少なくなっていた時代に、鉄筋を多用しているこの地下壕は当時それだけ力を注がれていた海軍ならではの建物と言えるそうです。

 

こちらの穴でも分かるように、コンクリートはすべて1.5メートル厚みのものが使われていて、かなりの耐弾性があると思われます。また戦後70年経ってもこの形を維持しているということは技術も資材も一級の証で、土木建築資料としても価値のあるものだそうです。

 

 

 

地下作戦室。大きな壁に地図を映し出して作戦会議がされていたそうです。

 

呉鎮守府 地下壕

 

 

 

こちらは地下作戦室の手前にある部屋で、唯一残されていた職員の方の手記によると、発電機が置かれていた部屋だということが分かったそう。また川砂利が使われている様子が見えている点も現代では珍しい建築法ということです。

 

 

一般公開していない電話交換室

こちらの写真↓の場所は一般公開しておらず、今回プレス向けに特別公開されました。

二階にある電話交換室。記録は残っていないのですが、戦後オーストラリア軍が電話交換所として使われていた写真は残っているとのこと。

呉海軍見学呉観光日本遺産
一般公開していない電話交換室

 

 

 

今回、見学中にうかがった話の中で何度か聞いた言葉が「記録が残っていない」ということ。戦後に焼却処分をしなくてはならなかったために、その後に伝えられていないことが多いようです。

 

広島に原爆が投下されたときも、この地下作戦室に司令部があったのかも不明です。
ただし原爆が落ちた当日の夜に、呉鎮守府から調査団が行ってるのは分かっていて、一両日で帰ってきて「レントゲン写真が硬化していたので原子力爆弾だ」と判断したようです。

火薬の専門家も行っていたが「これは火薬ではない」と判断。このときの火薬の専門家として調査に行かれたのが、のちの中国火薬株式会社を 創設された神津さんという方で戦艦大和にも乗船されたことがある方だそうです。

 

 

 

 

海上自衛隊呉地方総監部第一庁舎(旧呉鎮守府庁舎) 見学申し込み

海上自衛隊 呉地方総監部は事前申し込みをすると一般の方でも見学することができます。逆に言うと事前申し込みができていなければ見学することができません。

原則は日曜日に公開ですが、中止となっている日もあるので、公開日を確認してから申し込むようになります。

申し込みや公開日については海上自衛隊 呉地方隊のこちらのページでご確認ください。

 

(*)情報は掲載時または旅行した日のものとなります

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