いくつもの日本遺産がある入船山記念館は必見

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入船山記念館で見る呉海軍の歴史

呉市の高台にある入船山記念館。ここは703年(大宝3年)から亀山神社がありましたが、1886年(明治19年)に鎮守府が開設されるため海軍に接収された場所です。(移転した亀山神社の姿についてはこちらの記事で⇒鎮守府があった呉の特徴と呉市の日本遺産 )

 

もともとここにあったのは後述する旧呉鎮守府司令長官官舎で、その他はこの地を1967年に入船山記念館として開館するにあたり呉市内の他の場所にあったものが集められてきたそうです。

だから入船山記念館の敷地内には日本遺産に認定されているものが点在して複数あります。

 

入船山記念館の入口

入船山記念館は入り口からしてオシャレです。

この石畳は明治42年から昭和42まで走っていた日本で6番目に開通した路面電車の敷石が再利用されているそうです。

 

旧呉海軍工廠塔時計

ー日本遺産・呉市有形文化財ー

大正10(1921)年に旧呉海軍工廠造機部の屋根の上に設置され終戦まで動いていたものです。当時は腕時計の習慣が今のようになかったので屋上の目立つところに大時計が設置されていたそうです。

 

「電動親子式衝動時計」となっていて、各面の時計が独立して動いているのではなく、中央に親時計がありその時刻にあわせてその他の時計が動いている構造で、昭和56年に整備して再び動くようになり、現存する「電動親子式衝動時計」としては国内最古のものとなります。

 

立ち続けたために凹んでいる「番兵塔」

警備のために長官官舎の入り口などに建てられていたもので、人が経ち続けていたために石が凹んでいる様子も分かります。

 

「この世界の片隅に」で、すずさんが御洒落をして周作さんにノートを届けに行ったシーンで出てきますね。

 

初代長官官舎に使われていたレンガの詰所

ボランティアガイドさんの詰所となっているこの建物、初代の長官官舎に使われていたレンガを再利用して建てられたものです。

 

このレンガ、長官官舎に使われていたときにはイギリスから輸入されたものだと言われていたのですが、再利用のときによく見たら東広島市安芸津町で作られた刻印がされているレンガが出てきて、イギリス産というのは伝説だったことが分かったそうです。

 

旧高烏砲台火薬庫

日本遺産・国登録有形文化財

明治35(1902)年、陸軍が建設した高烏砲台から移築して復元

高烏砲台のレポートはこちら⇒「高烏砲台(日本遺産)・平清盛像がある音戸の瀬戸公園

 

中を見ることができます。

 

砲火工場の跡地から発見された大砲

呉海軍工廠砲火工場の跡地から昭和56年に発見されたもの。

こちら↓のものは昭和20年海軍工廠と刻印

 

奥にあるこちらは、1864年(南北戦争時代)に作られたものを買ったと思われるそうです。

 

旧呉鎮守府司令長官官舎

ー日本遺産・国重要文化財ー

入船山記念館のメインとも言っていい呉海軍鎮守府 司令長官官舎です。昨年来たときには修繕中でカバーされていてこの美しい姿が見られなかったので、今回はしっかりと写真におさめました。

 

長官官舎の官舎部分は洋館で、繋がっている私邸部分は純和風の建物となっています。

 

赤じゅうたんが敷かれている廊下も私邸部分は畳の上にじゅうたんです。

 

改修した際にでてきた落書き。京都の大工さんが書いたようで、「京都から大工さんを呼び寄せてまで本気で作った長官官舎を意味する」ということで現在もそのまま残してあるそうです。

入船山記念館

 

呉鎮守府長官官舎であった建物ですが、戦後はイギリス連邦占領軍の司令官官舎として使われていたそうです。その際に壁一面が真っ白なペンキで塗られてしまっていました。平成に入ってから初代長官官舎の設計図が書かれた本が発見され、それを機に復元。

 

見事な金唐紙の壁が復元されました。

 

金唐紙の資料が観られる呉市歴史民俗資料館

入船山記念館の敷地内にある「呉市歴史民俗資料館」。以前は一般的な歴史資料を展示していたそうですが、平成になり金唐紙を復元したため、現在は復元されるまでの資料が展示されています。

 

旧呉鎮守府長官官舎の屋根 天然スレート

民俗資料館入り口近くに展示されているもので近くで観られますが、官舎の屋根は雄勝産天然スレートの魚鱗葺きとなっています。

 

のんさんの直筆サインがある郷土館

郷土館とされているこちらの建物は昭和54年に建てられたもので、現在は1階が券売所、2階には資料が展示されています。今回は時間が少なくゆっくり見ることができませんでした。

 

しかし注目すべきはこちら。1階の階段下に貼られている「この世界の片隅に」のポスターには、すずさんの声をやったのんさんの直筆サインがあります。

 

旧東郷平八郎離れ

ー日本遺産・国登録有形文化財ー

東郷平八郎氏が明治23年から24年まで呉鎮守府参謀長として在籍していときの自宅離れです。母屋は火事にあってしまったので、離れだけが残っていて別の場所にあったものを、この入船山記念館に移設したそうです。

 

呉医療センター

入船山記念館の前にある呉医療センター入り口。「この世界の片隅に」で、すずさんの義理のお父さんが入院していたところです。

 

美術館通り

入船山記念館の前の道「美術館通り」と言われて、随所のオブジェがあります。日本の道100選にも選ばれている道で、全長230メートルでT字路となっている上下をあわせると263メートルと、戦艦大和と同じ長さになるそうです。

 

 

 

入船山記念館 時間・行き方など

住所;広島県呉市幸町4番6号
アクセス:JR呉駅から徒歩13分
開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:毎週火曜日(祝日・休日の場合は翌日休館)/12月29日~1月3日
拝観料やイベントについては公式サイトをご確認ください。

■公式サイト http://irifuneyama.com/

■Facebookページ https://www.facebook.com/irifuneyama/

(*)情報は掲載時または旅行した日のものとなります

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