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軍港があった呉と舞鶴だからこそ誕生した肉じゃが
日本遺産に認定された旧軍港四市の共通のストーリーとして、海外との交流がある海軍だけに食の洋食化もひとつの特徴であることをご紹介しました。⇒[旧軍港市日本遺産~鎮守府があった四市のストーリーとは]
どうやら肉じゃがもその一つのようです。
呉の肉じゃがはビーフシチューが食べたかった東郷平八郎から生まれた
海外でビーフシチューを食べた東郷平八郎元帥が、料理人に口頭で伝えてできあがったのが肉じゃがのはじまりだと言われています。
食べたこともないビーフシチューを作るために料理人が試行錯誤して作ってできたのが「甘煮」というジャガイモを煮たもので、当時の海軍のレシピ本「海軍厨業管理教科書」にも甘煮が掲載されているそうです。
材料はジャガイモ(メークイン)・牛肉・糸こんにゃく・玉ねぎとシンプルなのが「甘煮」から続く呉の肉じゃがの特徴。
こちら↓は呉阪急ホテルの朝食バイキングにあった肉じゃが、まさしく呉の肉じゃがです。
舞鶴が1995年に肉じゃが発祥の地を宣言
一方、舞鶴も肉じゃが発祥の地としてあげる理由が東郷平八郎。舞鶴鎮守府の司令長官として勤めていたのが東郷平八郎だからです。
舞鶴が肉じゃが発祥の地と宣言した1995年時点では、呉市は何も宣言していなかったのですが、舞鶴に東郷平八郎が赴任する10年前に呉鎮守府の参謀長として東郷平八郎が勤めていたので、呉が肉じゃが発祥の地ではないかという宣言をしたのが、1998年となります。
呉は少し控えめで「肉じゃが発祥の地?」と「?」がついているところが可愛いです。
舞鶴の肉じゃがの材料は、ジャガイモ(男爵)・牛肉・糸こんにゃく・玉ねぎ・ニンジン・グリーンピースとなりますので、前述の呉の肉じゃがより少し彩りがありますね。
呉フェリーターミナル2階「椿庵」の海軍定食
こちらは昨年、呉にひとり旅したときに食べたフェリーターミナル2階「椿庵」の海軍定食 1,750円。
メインとなるのは戦艦霧島で食べられていた鯨カツレツです。
海軍定食ですので、肉じゃがも定食の中にありました。ニンジンが入っているので、ちょっと舞鶴よりの肉じゃがですね。
いずれにしても鎮守府があった市で共通のルーツをもつメニューがあるというのは興味深いお話でした。